税務署との話し方

今でこそ、税務署はそれなりに丁寧で愛想がよくなりましたが、昔は本当にひどい態度でした。証拠もないのに犯罪者扱いされ、社員がその場にいても糾弾してくるような税務署員がたくさんいたのです。

ある時、査察が入ったという報を受けて会社に戻ってみれば、うちの社員たちは自分の机の横に立ちっぱなしで、税務署員がその机で座って作業をしているという状況でした。しかも社員に対し、我が物顔で「あれはどこだ」「これを出せ」と指示しています。

社長はフロアの中央に行くと、拍手で全員の注目を集めた上で、こう言いました。

「今現在、立っているばかりで業務をしていない社員は、業務規程違反にあたるので、全員解雇します」

社員たちは、社長のそうした言動に慣れているので驚きませんでしたが、慌てたのは税務署の職員です。「解雇を自分たちのせいにされてはたまらない」とばかりに、さっと立ち上がって、社員に席を譲ったのでした。

このように、無礼な税務署員に対しては、戦う方法はいくらでもあります。

税務署が出してくる最終調査結果は、ほぼ必ず、思っているより大きな金額になるものです。そして通常の納税者であればそれに対し、「ここがおかしいのではないか」などと交渉し、「このあたりが落としどころ」として金額が決まります。

逆に言えば、税務署の最終調査結果は、納税者から文句があるのを想定した上で、あらかじめ膨らませてある可能性があるわけです。

ある時の税務調査で、社長は最終結果に対し、「わかった、全額払う」とあえて受け入れてみました。すると税務署の職員は慌てた様子で「いやいや、一度検討したほうがいい」と言います。

「これはやはり、膨らませているな。それが後でばれると困るんだな」とそう感じました。そしてそれを盾に強く出ることで、税務署員の圧力を跳ね返しました。この駆け引きにより、筆者が使える経費の幅は大いに広がりました。

たとえばフェラーリは「お客様に何かあった時、夜中であっても最も速いスピードで駆けつける必要があるから買った」。船は「震災などで道が途絶えた場合、一台でも多くお客様のバイクを運ぶのが使命」。それで、相手の首を縦に振らせることができたのです。

自社のやっている事業に一番詳しいのは自社の社長です。堂々と、それが事業継続に必要な経費なら、申告し説明すればよいだけのことです。

以上

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